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おひとりさまの将来のために貯めるべきか、今楽しむために使うべきか

こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの加藤梨里です。この連載では、20代~30代のワーキングウーマンの皆さんへの家計相談を通して私が感じた「前向き女性になれる」お金との付き合い方についてお話してきました。

 最終回の今回は、「貯めるべきか、使うべきか」についてお話しましょう。

お金を貯めても悩む理由

 ファイナンシャル・プランナーの私のところには、お金にまつわるさまざまな相談が寄せられます。「我が家の家計はこれで大丈夫?」「保険を見直したい」「住宅ローンを組みたい」などなど。なかでも最も多いのが、「どうしたらお金を貯められますか?」というものです。これは、老若男女問わず、実に多くの人が悩んでいます。

 皆さん、それぞれの方法でコツコツと一生懸命お金を貯めています。にもかかわらず、どうしてまだ悩まなければならないのでしょうか。

 考えられる理由は2つあります。ひとつは、危機意識が高いこと。わざわざファイナンシャルプランナーのところに相談に来る人たちは、お金への意識が高い人がほとんどです。新聞や本をよく読み、経済の動きに関心を持ち、自分の将来設計を早くから立てています。そのため、これから必要な金額を具体的に把握していて、それを達成するために早めに貯めなければと思っています。現実を知っているからこそ、悩みが生まれるのです。

 もうひとつは、自分に厳しいことです。あるいはお金を使う自分を「怠けている」と感じていることです。貯めている自分は正しい姿だけれど、使っている自分は間違った姿だと思っています。

 実際にお金を貯めていくためには、上に挙げた2つの意識は大切です。自分の人生でかかるお金を具体的に知り、そのために計画的に貯めていくことで、目標達成は近づくからです。でも、特に後者については、行き過ぎると逆に幸せが遠ざかってしまいます。

お金にアリとキリギリスは通用しない?

 私の周りに、お金との付き合い方が対象的な2人がいます。

Aさん(30歳)

 Aさんの口癖は「今しかない」。学生時代には、「遊べるのは今しかないから」と、毎年夏休みには海外旅行に行き、休みの日にはいつも友達と遊びに出かけていました。社会人になっても「若い今しかできないから」とスポーツカーに乗り、「スリムな今しか着られないから」と、流行の洋服をチェックしては買い物に出かけています。

Bさん(30歳)

 これに対して、Bさんの口癖は「今を耐えれば」。ほしいものを我慢してお金を貯めれば、将来は安心して暮らせると、コツコツ節約にいそしんでいます。休みの日もあまり遊びには行かず、食事もほとんど自炊です。

 2人を見ていると、まるで「アリとキリギリス」のようです。夏を楽しむキリギリスのようなAさんと、冬に備えて食糧を貯えるアリのようなBさん。原作のシナリオ通りに行けば、Aさんは後で苦労することになります。

でも、人間の世界では必ずしもそうでもないように思うのです。同じ年に社会人になり、初任給は同じ金額だった2人ですが、Aさんの今の収入は45万円、Bさんは30万円と差が開いており、そこに、お金との付き合い方が収入に影響しているようなのです。

 Aさんは、昨年転職をして収入が上がりました。転職のきっかけになったのが、週末に参加していたパーティでした。偶然に再会した学生時代の同級生の会社で人材を募集しており、Aさんの仕事内容を聞いた同級生が、「うちの会社に来ない?」と誘い、人事担当者に引き合わせてくれたのです。

お金を使って社会人としての引き出しを増やすこともできる

 飲みの席はほとんどが娯楽ですが、人脈が広がったり、なぜか仕事の話で盛り上がったり、ときにはビジネスが進むこともあります。Aさんのようにチャンスをつかむまではいかずとも、人の話を聞けば知らない世界を知ることもあります。ほかにも、旅行に行ってリフレッシュすると、戻ってきたときに仕事のパフォーマンスが飛躍的に上がる、新しいアイデアが生まれることもあります。お金を使うことが、次のお金を生み出すきっかけになるわけです。

 最近ではクラウド上で仕事をできるサービスが登場し、社員に副業を認める企業も出てくるなど、本業を堅実に行うだけが会社員の正しい姿ではなくなりつつあります。これからは、仕事以外にも多様なスキルや経験を培い、社会人としての引き出しを多く持つことで、キャリアアップや収入アップのチャンスも広がるでしょう。そう考えると、お金を使ってオフの時間を楽しむのは、単なる浪費ではなく、自分の経済規模を拡大させる投資ともいえます。

 もちろん、向こう見ずにお金を使い続けるのはよくありません。でも、お金を貯めることだけが、幸せへのセオリーでもありません。お金は本来、貯めるためにあるのではなく、使って豊かな生活を実現するためにあります。もし、貯めることばかりを考えて悩んでいるなら、一度立ち止まって、がんじがらめになっている心をやわらかくしてあげてはいかがでしょうか。今を楽しむために使い、自分を豊かにすることも、前向きな人生にはとても重要です。

【企画・編集/SAKU株式会社】

(下記サイトより)

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/9171

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