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貯金・保険・住宅……おひとりさまの老後準備

【生活設計】老後をイメージし必要額を明確に

「おひとりさまの老後準備」といっても、特別なことはそう多くありません。もちろん既婚と独身で条件は違いますが、男性と比べて平均寿命が長い女性の場合、「おひとりさま」で過ごす老後が長くなるのが宿命です。その老後を後悔せずに生きるために自分で備えておく、ということが大前提になります。

まず大切なことは、老後のイメージをしっかり描くということです。衣食住が足りていれば、それでいいのか。現在の生活レベルを維持したいのか。思う存分、生活を楽しみたいのか。それによって必要な老後資金は大きく変わってきます。

老後の生活をイメージしたら、必要金額を明確にします。人によって千差万別でしょうが、目安として平均的な高齢者(単身無職、60歳以上)の生活収支(下記グラフ)から概算してみます。支出は約15万円、収入は公的年金などで約11万円。企業年金などがあれば平均より多くなるでしょうが、ひとまず差し引き毎月約4万円。65歳でリタイアし90歳まで生きるとしたら、約1300万円が必要になるとしておきます。

加えて、介護や病気など“もしものとき”のために200万~300万円。また、現在40代以降の世代がリタイアする頃には、公的年金の支払い開始時期が先送りされ、金額も少なくなっているはずです。“ゆとりある老後”を送ろうと考えたら、ざっと2000万円を預貯金でまかなっていくことになります。

これだけかかる、おひとりさまの老後生活(月間)

大竹のり子(おおたけ・のりこ)
ファイナンシャルプランナー。2005年、エフピーウーマンを設立し、人生に必要なお金の知識を身につける「お金の教養スクール」を展開するかたわら、各種メディアでも活躍中。『なぜかお金に困らない女性の習慣』(大和書房)など著書多数。

【住宅】定年までに完済が住宅購入の条件

どんな老後を送るにしても、雨露をしのぐ家は必要です。住居費は人によって幅が生じやすく、特に現在「おひとりさま」の人は持ち家率が低いでしょうから注意が必要です。

1ページ目の住居費9.5%を金額に直したら約1万3600円。マンションの管理費程度です。この金額はローンを完済した持ち家の場合であり、賃貸住宅に住み続ける人や、老後も住宅ローンの支払いが続く人は、その分がまるまる負担増となります。リタイアまでにローンを完済できるのであれば、住宅を購入しておいたほうが安心です。今から購入するのであれば、リタイアまでに完済可能な範囲に収まる物件を探すのがいいでしょう。老後もローンを払い続けるのであれば、賃貸住宅に住んでいるようなもの。住宅を購入するメリットがあまりありません。むしろ生活が苦しくなったときに安い物件に住み替えが容易な賃貸住宅に住み続けるほうが賢い選択といえるでしょう。

【貯金】今の生活と老後のバランスが大事

老後は、基本的に預貯金を取り崩していく生活になりますから、預貯金は多いに越したことはありません。でも、老後のためだけに我慢に我慢を重ねて、爪に火を点すような生活を送るだけでは味気ない。一方で、目先の楽しみだけにとらわれていたら、老後の備えはできません。どちらが正解というわけではなく、バランスが大事です。リタイアまでにいくら貯めておくかということも含め、ご自身の人生観と照らし合わせて後悔しない選択をしましょう。

参考までに単身世帯の金融資産保有額を挙げておくと、40代の平均は657万円、50代では平均1287万円。一方で、40代の39.5%が保有資産ゼロだそうです(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(平成26年)」)。

リタイア時には、預貯金に退職金も加わります。現在、派遣で働いている人も、「今さら」と考えずに、正社員の道を探し続けたほうがいいですね。退職金や企業年金の有無で、老後の生活に大きな違いが出てくるはずです。

【保険・運用】貯蓄型保険はほんとうにダメか?

「おひとりさま」の生活で心配なのは、病気などで働けなくなることです。そのために打っておくべき手は2つ。ひとつは「保険」、もうひとつが株や投資信託などの「運用」です。運用で安定収入を得るのは難しいですが、1本より2本の綱につかまっていたほうが安心だからです。

保険は、3大疾病や先進医療保障が付いた医療保険、がん保険が基本です。「貯蓄型保険はムダ」という声も聞かれますが、何と比較するかによります。「運用」と考えたら、株や投信に比べ利回りは見劣りします。でも、預貯金と比べたら、利回りは似たようなものでも、保障が付いている分、相対的にお得とも言えます。途中解約したら元本割れするデメリットがありますが、だからこそ安易に取り崩したくならず、確実に貯めやすいとも言えるでしょう。

運用は不安だからと全額預貯金するのであれば、一部を貯蓄型保険にまわしたほうが賢い選択です。一方、「しっかり株を勉強して運用するんだ」という人は、保険で貯蓄しなくてもいいかもしれません。

また、「貯める」ということに加えて、将来も収入を得続けることも考えてほしいと思います。老後に、貯金通帳とにらめっこして「あといくらで底をつく」という生活は寂しいもの。趣味や自分の好きなことを活かした副収入の道を、今から模索しておくことも老後の準備で大切なことではないでしょうか。

せっかく定年まで頑張って迎えた老後を、人生の「消化試合」にするのはもったいない。老後の夢やライフスタイルのイメージをふくらませ、それに向かって前向きに準備を始めていただきたいと思います。

(下記サイトより)

http://president.jp/articles/-/21268

 

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