高齢者より多く深刻…40代独身男性の「孤独死」が今危ない!
2015年に厚労省が発表した報告書によると、日本人男性の生涯未婚率は増加しており、このまま増加傾向にあれば2035年には中年男性の3人に1人は生涯未婚の計算になります。
懸念されるのは高齢者の一人暮らしによる孤独死ではなく、年々増えつつある「40代独身男性の孤独死」です。
なぜ、働き盛りでもある40代独身男性の孤独死が増えているのでしょうか?
40代独身男性が注意すべき疾患と予防対策を医師に聞いてみました。
40代男性の孤独死が増えた理由
結婚しない人が増えた
何か体調に異変があったり、検診で指摘される項目があった場合、家庭があればその責任感から病気を治そうとするものですが、未婚の方だとそのような動機づけが起きにくいためと考えられます。
非正規雇用の増加
雇用が不安定であり、医療費をかけないようにする方もいらっしゃるでしょう。すると病気の早期発見や治療ができないことになってしまいます。
お一人様の浸透
友人や恋人と交流があれば、「痩せた」「元気がない」などと自分では気づきにく変化に気づいてくれるでしょうが、一人でいるとそのような機会が減ってしまうということになります。
親との関係が希薄化
親と緊密な関係にあれば、子供の体調を気にするでしょうし何か異変があれば気づいてくれるでしょう。関係が希薄であればそのような機会が得られません。
組織が苦手な人が増えた
組織が苦手な人は、人付き合いが苦手である傾向が考えられます。人との関係が疎遠であると悩みを相談する人がいなかったり、健康面でも適切な情報やアドバイスが得られないことが考えられます。
男性に比べ女性の孤独死が少ない理由
女性の方が親や友人とも密に連絡を取っていることが多く、心身に異変があれば相談しやすい人が身近にいることが1つの要因であると思います。
孤独死の要因となる疾患
脳梗塞
脳の血管が詰まることにより、脳に栄養がいかず、麻痺や嚥下障害、言語障害など様々な症状を呈する疾患です。
心筋梗塞
心臓を栄養している冠動脈が閉塞し、心臓が全身に必要な血液を送れなくなってしまう疾患です。 症状は突然の激しい胸痛、意識障害、冷や汗などです。
クモ膜下出血
脳の動脈のコブ(動脈瘤)や動静脈の奇形などが原因で血管が破綻し、脳の表面にあるくも膜の下に出血する疾患です。
糖尿病
血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが十分でないため、血中のブドウ糖がきちんと使われず血糖値が高くなる病気です。
糖尿病は40歳代から急速に増えるここともあり、早期発見・早期治療が大切なので定期検診は必ず受けましょう。
精神疾患
代表されるのが、うつ病などの心の病です。心の発達不全という風に言われますが、ストレスなどの様々な要因によって発症してしまいます。
40代男性で孤独死が懸念されるタイプ
■ 仕事もプライベートも一人でいることが多い
■ 健康面をあまり気にしていない
■ 親・親戚と疎遠である
■ 安定した仕事につけない
■ 貧困を抱えている
孤独死の予防対策
電気やガスの使用状況をデータ化したり、地域内で住民の情報を共有したりすることで、独居世帯や高齢者世帯などの生活状況の把握を行っていく必要があると考えられます。
またこういった情報を行政とも共有し、必要に応じて自治体の職員が定期的に訪問するなどの措置をとっていく必要があると思います。
最後に医師から一言
近年の未婚率の増加、離婚率の増加などから若年者でも一人で生活することが増えています。
どのように生活するかは個人の自由ではありますが、やはり周囲の人間との関係を構築しておくことは非常に大切です。また体心身に変化があれば受診をすることをお勧めします。
(下記サイトより)